ローレルオーナーズ

ローレルクラブ、広尾、その他一口クラブの血統等の覚書きです。

ローレル23産駒(3)〜

noteに書いたものの転載になります。

中身のXアカウントについては触れないでください。

 

【カツンダモン23】
インディチャンプ×エンパイアメーカー

インディチャンプはステイゴールドの産駒ながらマイル王者になった馬で、ステイゴールド産駒はゴールドシップナカヤマフェスタ等、小回り長距離を得意とする産駒が多い中、ダービー馬のオルフェーヴルとインディチャンプは高速の東京G1を勝ち切った馬で、特にインディチャンプは他ステイゴールド系とは全く違うタイプであると断言出来る。
強く影響を出しているのはキングカメハメハトキオリアリティーのマイル色で、インディチャンプの非凡なスピードを再現するには恐らくこのラインを刺激するのが有効だと考えられる。

カツンダモン23は、トライマイベストEl Gran Senorの6×4、In Reallityの5×6×5と、Worden≒Le Fabuleux、Hold you peace≒River Lady、ノーザンテーストVice Regent等、凝ったクロスを繰り返してキングカメハメハ×トキオリアリティーのウィルパワーを再現するような配合。

In Reallityのクロス自体はダート的だが、トキオリアリティー×エンパイアメーカーからモズメイメイという短距離芝馬が出たのは前向きに捉えられる要素。モズメイメイにはStorm Cat的なしなやかさがあるが、本馬はトライマイベスト×El Gran Senorや、ボストンハーバーの様な血もあって、芝で走れる下地はある。

兄姉は、グランプリボスが三頭、恐らくSecretariatボストンハーバーの組み合わせで芝馬を狙ったもので、もう二頭はサトノアラジンFappianoの5×5や、Nijinskyの5×5を狙った配合に見えるが、芝マイラーを狙うなら両者ともあまり褒められた配合では無い。兄姉と比較すると褒めるべき点が多く、上が走ってないから、と言うのは走らない根拠にたり得ない。

得意コースは阪神1400mで、1400〜1800mがベスト舞台、伸びすぎるとよくない。ステゴ系ながら、言うほど晩成でないように映る。

評価:A

【ファーストチェア23】
サートゥルナーリア×ジャングルポケット

ロードカナロア×ジャングルポケットはポテンシャルが低いが、ロードカナロア×ハーツクライではケイデンスコール等活躍馬が出ている。
リオンディーズ×ジャングルポケットからはストーリア、母数が少ないがそれ以外ではシゲルツキミザケが中央で一勝しているのみで、あまり高い評価の出来る組み合わせでは無い。

サートゥルナーリア、リオンディーズ共にNureyev≒Sadler's wells起因のSpecialのクロスを持つので、母父ジャングルポケットとなると同クロスが6×4×4になる。
同じようなクロスを持つ直近の内国産種牡馬にはロゴタイプがいて、特に芝で走ったロゴタイプ産駒のラブリイユアアイズが母方にもSpecialを持つ事は本馬にとってプラス要素。

ファーストチェア23は3/4が非ノーザンダンサー
ヌレサド6×4×4の緊張を緩和してくれている部分が血統内にある事でバランスは取れた。

ただし、ジャングルポケットBMSとして、AEI1.0を越えた年は、ミッキースワロー、サクセスエナジー、ロードマイウェイの活躍した2019年以外に一度もない事は頭に入れて置きたい。

評価:B

【フルマークス23】
レイデオロ×Kitten's Joy
近親にコロナドズクエストがいる母にレイデオロで、血統内の共通項も多い相似的な配合。生産に関わる方の中に、エルコンドルパサーに憧れている方がいるのかな、と思わせるような配合で、この類の血統にはノーコメント。

そして、レイデオロ産駒は血統だけじゃ推し量れない物がありそうで、馬体を見てからでないと何とも。

走るかも知れないし、走らないかも知れない。
ダート的な配合だと思います。

評価:なし

【デフィニール23】
シャンハイボビー×ブラックタイド

配合としてはとてもわかりやすいと思います。
二代母ローレルデフィーは凱旋門賞ラムタラの産駒で、その母父はノーリュートトウルビヨン系のクロスを持つ馬で、如何にもスタミナ馬と言った配合の通り、障害オープン勝ち。

次代ではブラックタイドを用意したが、サンデーのスピードは伝わらず、スタミナ馬に。ハイペースになったダート1800mをバテ差しし、未勝利を脱出。ただし、前述の通りスピードがないので、展開に恵まれず1勝で引退、繁殖入り。

兄、ユイノマチブセはシニスターミニスターの産駒で、レベルの高くなかったダート新馬戦1200mを勝ち上がり。

それでも足りていないスピードを補うために、短距離向きのシャンハイボビーを配したが、牝馬に出てしまったのでローレルクラブに。

という流れですかね。

シャンハイボビー自体はノーザンダンサーのクロスを持たないので、ノーザンダンサーの5×4×5のデフィニールは歓迎。ただ、Blushing Groomの5×6×5なので、これ由来のWild Risk的な気性で、ダートは揉まれない形しか走らない、という可能性は大いに考えられるタイプ。

代々スピードがなくてダートを走っているだけなので、芝向きのスピードがシャンハイボビーから伝わってる可能性は否定出来ないが、それでも短距離路線、例えば芝なら福島1200m、ダートなら中山1200m、のような小回りタイプに出ても不思議無い。

募集価格次第では短距離路線で回収する可能性はあるのでは?と思料する。

評価:B

【アドマイヤカグラ23】
ドレフォン×スペシャルウィーク

ローレルアイリスの下だが、何をどう考えて、どう捻って、どう答えを出してもダート馬。

ドレフォンは上位の産駒を見ればわかる通り、モロに母系の良さが生きる馬で、ただし、ドレフォンの良さはあまり伝えていない。
となると、アドマイヤカグラ23がどんな馬か?を考えるのであれば、アドマイヤカグラがどんな馬だったのか、を調べるのが最も手っ取り早い。

アドマイヤカグラはスペシャルウィークの産駒の未勝利馬。脚は長くなく、体捌きもあまり上手ではなくて、コロンとした体型の馬。そういう体型なので、ストライドは伸びきらず、ピッチの回転で走るタイプなので出脚は良く、位置取りの理を得るがやはりスピードがないので未勝利ダート戦で三着が精一杯。

アドマイヤカグラがどうしたら勝てたか、という話であれば、脚が長くなって体捌きが柔らかくなれば勝ち負け出来た、と考えられるが、馬はそんな急に変わる生き物でもない。
ただ、これが子の代で達成出来れば十分勝ち上がる事が出来る可能性は残していて、つまるところ、どんな馬に出ているのか?
成長過程を見守る必要のあるタイプだと考える。

評価:なし